News/Newsletter

FCGグループのニュースレターをお届けします。

FCG 中華圏 ニュースレター(No.203)

2025年07月02日中華圏

北京・蘇州・上海・成都・広州・深圳

 

中小企業代金支払保障条例に伴う中国自動車メーカーの方針に関して

「中小企業代金支払保証条例」が2025年3月24日に中国国務院より公布されました。中小企業の権利を守り、ビジネス環境の最適化を図るために、政府機関や大手企業の中小企業への支払条件について規定しており、2025年6月1日から施行となります。

具体的には、政府機関が中小企業へ商品代やサービス代を支払う場合に、交付日または検収合格日から30日以内(別途契約を締結すれば最大60日以内まで延長可能)、大企業の場合は60日以内の支払期限を定めています。支払は現金を基本とし、手形や売掛金など非現金支払とする場合は明確に契約を締結する必要がありますが、中小企業に強制することや、支払期限の延長をすることは禁止となります。

これを受けて、賽力斯集団(セレス)、吉利汽車集団、東風汽車、BYD、奇瑞汽車(Chery)、小鵬汽車(Xpeng)等中国の自動車メーカー各社がサプライヤーへの支払期限を60日以内とする方針を表明しています。

従来、大手企業がその地位を利用し、現金化できるまでの支払条件が360日前後のようなケースも散見されており、取引関係を維持するためには多額の資金が必要になることが、中小企業の経営状況に大きな影響を与えていました。こうした商習慣は、日系企業が中国企業向けの販路を拡大することを躊躇する理由の一つともなっています。

今後、大手企業はこれまでの支払条件を大幅に短縮する必要があるため、それに見合った資金を確保することが求められることになり、資金調達に伴う経済的負担が増大することになります。

 

ちなみに、いずれも連結ベースの公開情報ですが、

トヨタ自動車(2025年3月期)年度売上:48兆円、営業債務:5.5兆円

BYD(2024年12月期)年度売上:約15.5兆円(7,771億元、1元=20円換算)、買掛金+支払手形:約4.9兆円(2,440億元、1元=20円換算)

と、売上の規模が3:1に対して、営業債務はほぼ同規模となっています。

 

本条例が、中国経済に対して良い影響を与えることを、期待したいところです。

 

 


香港

 

連続性雇用の条件緩和につい

1.連続性雇用の条件緩和について

香港立法会は2025年6月18日、従業員がより手厚い保障を受けられる連続性雇用契約の基準となる「418」規定の見直しを盛り込んだ雇用条例の改正案を可決しました。連続性雇用契約のための労働時間の条件を緩和し、より多くの労働者が福利厚生を享受できるようになります。

418 規定は、労働者が同一の企業で連続して4週間以上、かつ毎週18時間以上勤務すれば連続性雇用契約とみなし、有給休暇や有給傷病休暇などの権利が発生するというものです。改正条例では週の労働時間の下限を17時間に引き下げるほか、17時間未満の場合でも、その週と直前3週の合計労働時間が68時間に達していれば連続性雇用契約の適用期間としてみなします。

改正条例の規定は2026年1月18日から適用されます。政府報道官は声明で、改正により特定の週に一時的に基準を下回ったことで連続性雇用が中断される状況が改善されると強調し、現行の条件を満たしている従業員に影響はないと説明しました。

 

2.出境税、滞在48時間以内は免除へ

香港政府は2025年6月11日、航空機で香港を出発する際に徴収している空路出境税の免除対象を拡大することを盛り込んだ関連条例の改正案を、13日付官報で公示すると発表しました。香港滞在が48時間以内の旅客の出境税を免除する方針です。

新たに出境税を免除するのは、航空機で香港国際空港に到着後、到着日または翌日(最長48時間)に航空機で出境する旅客、及び航空機以外の手段で入境し、到着日または翌日に空港から航空機で出境する旅客となります。当該の免除は出境税引き上げが予定されている10月1日から適用されます。なお出境税そのものについては、10月1日以降に購入される航空券に対し、従来の1人当たり120香港ドルから200香港ドルに引き上げられます。

 

 


台湾(台北・台中)

 

【入国カードを電子版に統合】

移民署は、外国人旅行者が台湾に渡航する際に必要となる入国カードへの記入義務を、10月1日から現状の手書きによる記載を廃止し、オンラインによる手続きに一本化すると発表した。台湾到着の3日前から手続きが可能となります。オンライン手続きは以下のリンクで行います。

https://japan.focustaiwan.tw/travel/twac.immigration.gov.tw

 

【IFRS第17号保険契約の適用について】

台湾は、国際会計基準の導入を進めており、特に保険業向けのIFRS第17号「保険契約」の適用準備が大きなテーマとなっています。国際的にはIFRS17が2023年から施行されていますが、台湾の保険業界は経過期間を置き、2026年1月1日からの全面適用を予定しています。金融監督管理委員会は、2025年3月に「保険業適用IFRS17折現率等相關規定」を公布するなど技術的ルール整備を進め、保険会社各社がIFRS17への円滑な移行ができるよう支援しています。

 

【財務報告作成基準の一部改正を予告】

金融監督管理委員会は、金融当局が開示の簡素化と実効性向上を目指し、2025年3月、上場企業向け「財務報告作成基準(証券発行人財務報告編製準則)」の一部改正案を予告し、財務諸表附表の開示項目を簡素化する方針を示しました。重要度の低い重複情報を削減し、投資判断に重要な情報に開示を集中させることで、投資家にとっての有用性を高めるとともに企業の開示負担を軽減する狙いです。この改正規定は2025年第1四半期の四半期財務報告から適用されています。また、監査制度に関して、近年は大手企業に対する財務諸表監査に加えて、サステナビリティ情報開示の信頼性確保や、不正会計防止のための監査の品質向上が重要視されています。金融当局は監査人による内部統制の検証基準の強化や、財務報告不備に対する制裁の厳格化などを通じて資本市場の透明性向上に努めており、今後も国際基準に沿った監査・報告制度の整備が継続して進められる見通しです。

 

 


お問い合わせ先 Web:https://www.faircongrp.com/

 

フェアコンサルティング中国

(正緯企業管理諮詢(上海)有限公司)

北京分公司

北京市朝陽区農光南里1号楼龍輝大厦12楼(創富港)12002室

電話:+86-131-6731-4021

担当:坂林(SAKABAYASHI)

mi.sakabayashi@faircongrp.com

蘇州分公司

蘇州市工業園区旺墩路135号融盛商務中心1号2113室2122単元

電話:+86-512-6255-0697

担当:高橋(TAKAHASHI

mi.takahashi@faircongrp.com

上海総公司

上海市黄浦区茂名南路58号 花園飯店(上海)601室  

電話:+86-21-6473-5450

担当:粟村(AWAMURA)日本国公認会計士

hi.awamura@faircongrp.com

成都分公司

四川省成都市成華区双慶路10号 華潤大厦32層3240室

電話:+86-28-6287-7518

担当:大浦(OURA)

da.oura@faircongrp.com

広州分公司

広州市天河区花城大道68号(環球都会広場)自編1710B

電話:+86-20-8559-9936

担当:米田(YONEDA

ka.yoneda@faircongrp.com

深セン分公司

深セン市福田区深南大道4019号 航天大厦A610

電話:+86-755-8252-8290

担当:米田(YONEDA

ka.yoneda@faircongrp.com

フェアコンサルティング香港

(Fair Consulting Hong Kong Co., Limited)

香港九龍海港城海洋中心16樓1629A-30室  

電話:+852-2156-9698

担当:山口(YAMAGUCHI)日本国公認会計士

ka.yamaguchi@faircongrp.com

フェアコンサルティング台湾

(正緯管理顧問股份有限公司)

台北市松山區敦化北路167號11樓C室 宏國大樓

電話:+886-2-2717-0318

担当:坂下(SAKASHITA)

yu.sakashita@faircongrp.com

2024年2月1日 台中オフィスがオープンしました。

台中オフィス:台中市西區台灣大道2段285號4樓之2


FCG 中華圏 ニュースレター」本文の内容の無断での転載、再配信、掲示板の掲載等はお断りいたします。

FCG 中華圏 ニュースレター」で提供している情報は、ご利用される方のご判断・責任においてご使用ください。

フェアコンサルティンググループでは、できる限り正確な情報の提供を心掛けておりますが、「FCG 中華圏 ニュースレター」で提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る事態が生じたとしても、フェアコンサルティンググループ及び執筆者は一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

【PDF】【FCG中華圏ニュースレター】No.203_北京・蘇州・上海・成都・広州・深圳版

【PDF】【FCG中華圏ニュースレター】No.203_香港版

【PDF】【FCG中華圏ニュースレター】No.203_台湾版