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FCG インドネシア ニュースレター(2025年10月23日)

2025年10月23日インドネシア

改正海運法に関する対応指針

 

改正海運法(2008年法律第17号〔2024年法律第66号改正〕)により、PT PMA(外資系法人)海運事業を継続するには以下の2要件を満たす必要がある。

① インドネシア側過半数株主が海上運送KBLI 501xx)に従事する事業者であること

② インドネシア船籍総トン数5GT≥50,000 GT)以上の船舶をインドネシア人船員により所有・運航すること

これらの要件海上運送事業許可SIUPAL)の更新時および株主変更・新船舶の取得/登録などの契機において適用される。

 

対象となる企業

・国内海上運送(KBLI 501xx)を行うすべてのPT PMA

 

参考:海運オペレーターとしての主なKBLIコード(貨物系)

・50131:国内一般貨物の海上運送

・50132:国内港湾水域における貨物運送

・50133:国内特殊貨物の海上運送

・50134:国内先導(Perintis)貨物の海上運送

・50135:国内海運の大衆サービス(Pelayanan Rakyat
旅客事業は5011xコードに該当。)

 

二つのテスト(要件の正確な射程)

1.過半数株主テスト(インドネシア側51%)

インドネシア側の株主が51%以上を保有し、かつKBLI 501xxに従事する海運事業者であること。

2.5GT以上テスト

PT PMAの海運会社は、インドネシア籍5GT以上の船舶を所有・運航し、インドネシア人船員によって運航すること。5GTが新たな基準である。

「所有」は法定要件であり、ファイナンス・リース買取オプションを含む構成を想定する場合は、所管当局の正式確認が必要である。

 

適用時期とスケジュール

◆ 重要日程

・2024年10月28日:改正法公布

・2025年10月28日:主要条項施行(公布から1年後)。これ以降、当局はライセンス手続や所定の事象に紐付けて適用が可能となる

・次回のSIUPAL更新時(例:2026年):実務上の主適用タイミング。SIUPALが2026年まで有効であればそれまで現状維持可能ただし、以下の早期トリガーに注意

◆ 早期トリガー(発生時点で適用)

・株主構成の変更(例:インドネシア過半数株主の変更/KBLIを501xxへ改訂)

・新船舶の取得・登録。
これらが発生した場合要件は同時に適用され、段階的な対応は不可

 

実務対応(今すぐ取るべき行動)

1.拙速な株主変更回避

SIUPALが2026年まで有効で、かつ5万GT要件を即時に満たせない場合は、現状維持を選択し、今後公布予定の運輸省令(Peraturan Menteri Perhubungan)を注視し、遵守手続・行政制裁・警告書・事業停止措置等の詳細を確認する。あわせて5万GTの資本計画/パートナーシップを検討する。

2.「同時コンプライアンス」前提とした再編:過半数株主を海運事業者(KBLI 501xxに変更する場合は、5GT要件同時に満たす設計とする。

3.OSSKemenhub)での手続一元化

・すべてのライセンス手続・通知はOSS経由で行われる。SP(警告)/Freeze(行政凍結)/Tutup(閉鎖)等の行政措置もOSSで通知される見込み

 

FAQ(2要件に関するよくある質問)

Q1. 先にローカル株主を海運事業者に変更し、船舶は後で取得してよいか
→不可。 株主変更KBLI改訂を行った時点で、5GT要件が同時発動する。両要件の同時履行を前提に計画する必要がある

 

Q2. フォワーディング事業KBLI 5229152293)の株主は要件を満たすか
→満たさない。 過半数株主はKBLI 501xxに従事する海上輸送事業者である必要がある。

 

Q3. 実務上の最速適用タイミングは
20251028に主要条項が施行され、実務上はSIUPAL手続およびトリガー事象(株主変更・新船登録)に連動して適用され

 

Q4. 直ちに会社を清算すべきか。
現時点ではすぐに清算する必要はない。 SIUPALが2026年まで有効であれば、運輸省令の公布を注視しつつ、同時履行に向けた選択肢を整えるのが妥当である。

 

社内向けアクション・チェックリスト

□ インドネシア過半数株主のKBLIを確認(501xx必須)

□ インドネシア籍5GT以上の船舶の所有・運航計画(資本/パートナー)を設計

□ 株主変更KBLI改訂の先行実施を回避(要件の同時履行が前提)

□ 運輸省令の公布を追跡(遵守手続・制裁・警告・停止措置の詳細)

□ 2026年のSIUPAL更新に合わせ、要件を完全に満たす申請パッケージ準備

 

 


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【PDF】FCGインドネシアニュースレター_No.25