FCGグループのニュースレターをお届けします。
FCGグループのニュースレターをお届けします。
2025年08月07日インドネシア
C18ビザ制度の運用開始:インドネシアにおける外国人材の試用受入れ制度の法的枠組み
インドネシア共和国法務省入国管理総局は、2025年5月27日付の通達IMI-453.GR.01.01に基づき、外国人採用候補者(以下「採用候補者)の採用選考段階でのトライアル受入れを目的とした訪問ビザ(インデックスC18)制度の運用を開始した。
本制度は、企業が正式雇用に先立ち、採用候補者の実務能力・適性を最長90日間の滞在期間にて評価することを可能とする限定的かつ非報酬型の受入れ枠である。
制度概要:ビザの性質と制限事項
C18ビザは、一次入国専用の訪問査証として定められ、初回滞在許可期間は最長90日間、延長不可である。当該期間内において、採用候補者は以下の活動を許可される。
●企業内での職務能力の試験的実施
●観光活動
●知人・家族訪問
ただし、当該ビザ保持者は報酬・給与その他対価の受領、物品やサービスの販売等の経済活動を一切禁止されており、滞在目的を逸脱した活動は行政処分または退去強制の対象となる。
制度利用の実務条件:スポンサー制度と費用構造
C18ビザの申請にあたっては、政府機関または法人格を有する民間機関による保証人が必要とされる。保証人は、入国管理総局の公式電子ビザ申請サイト(https://evisa.imigrasi.go.id)においてアカウント登録を完了し、採用候補者のビザ申請にの必要な書類を電子形式で提出する義務を負う。
必要書類は以下の通りである:
●有効な旅券(有効期間が6ヶ月以上、国籍以外の渡航文書は12ヶ月以上)
●過去3ヶ月分の銀行取引明細(候補者または保証人名義)
●1年以内に撮影された証明写真(カラー)
●インドネシアの機関(官民問わず)発行による能力試験招待状
滞在費用(国家非課税収入:PNBP)は以下の通り定められている。
すべての納付は、指定銀行を通じて、オンライン申請後に発行される課金コード(kode billing)を用いて行うことが義務付けられている。
適用上の厳格な制限:同一保証人による複数回利用は禁止
通達の運用指針において、以下の制限が明示されている。
●同一保証人が、同一人物に対してC18ビザを複数回申請することは認められない。
●滞在許可(ITK)は延長不可であり、90日を超える滞在は違法滞在となる。
●滞在期間満了後、同じ保証人のもとで再度C18ビザを取得することもできない。
●査証は発行日から90日以内に入国手続を行わなければ無効となる。
入国管理局および地方事務所は、査証保持者に対する監視義務を負い、以下のとおり三行為を重点的監査対象として明記している。
1.報酬・給与その他対価の受領
2.物品またはサービスの販売
3.滞在期間の超過
まとめ:選抜型試用受入れ制度としての制度的意義
C18ビザ制度は、企業の国際人材選抜プロセスにおける柔軟性の向上を実現しつつ、不正な就労・滞在を未然に防止する制度的枠組みとして位置づけられている。あくまでも試用目的に限定された非報酬型の査証制度であり、インドネシア政府は企業側に対し、本制度を雇用契約の前段階における試験的運用に限定して活用するよう厳格に求めている。
<お問い合わせ先>
フェアコンサルティンググループ
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2丁目5番25号ハービス大阪 オフィスタワー12F(本社)
WEB:https://www.faircongrp.com/
Tel:06-6451-9201 | Fax:06-6451-9203
e-mai: grm@faircongrp.com
PT FAIR CONSULTING INDONESIA
16th Floor MidPlaza 1 Jl. Jend Sudirman Kav 10-11 Jakarta 10220 Indonesia(インドネシアオフィス)
Tel:+62-21-570-6215 | Fax:+62-21-570-6217
Pahala Alex Lumbantoruan (Chartered Accountant)
e-mail:alexandra@faircongrp.com
「フェアコンサルティング インドネシア ニュースレター」本文の内容の無断での転載、再配信、掲示板の掲載等はお断りいたします。
「フェアコンサルティング インドネシア ニュースレター」で提供している情報は、ご利用される方のご判断・責任においてご使用ください。
フェアコンサルティンググループでは、できる限り正確な情報の提供を心掛けておりますが、「フェアコンサルティング インドネシアニュースレター」で提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る事態が生じたとしても、フェアコンサルティンググループ及び執筆者は一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。