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FCCニュースレター Vol.44(2013年5月)

2013年05月01日日本

新・新興国(ミャンマー)

 

先日、日本の首相としては実に36年ぶりに安倍晋三首相がミャンマーを訪れ、テイン・セイン大統領と会談しまし た。安倍首相にはおよそ40の日本の企業や大学、地方公共団体の関係者が同行しており、日本が一丸となって彼 の国に関心を寄せていることがアピールできたのではないでしょうか。ミャンマーは「アジア最後のフロンティア」と 呼ばれ成長が期待されていますが、停電が頻発するなど産業のインフラはまだまだ脆弱と言わざるを得ません。こ のような中で日本の本格的な援助により同国経済の立ち直っていくことが望まれます。 そこで、今回は、ミャンマーの投資環境について紹介したいと思います。 (1)外資規制 今年の1月にミャンマー投資委員会(MIC)により、外国投資が禁止される21分野、外国企業がミャンマー企業との 合弁のみによって認可される42分野、さらに、投資認可に当たって事業の所管省による意見書や連邦政府の承認 などが求められる115分野、特定の条件下でのみ参入可能な27分野、そして、環境アセスメント(EIA)が認可の条 件となる34分野を記載した通達が発表されています。 (2)進出形態 進出の法的形態としと、「現地法人」、「支店」、「駐在員事務所」が認められています。しかしながら、情報収集拠点 としてアジアで広く利用されている「駐在員事務所」は、銀行と保険業にしか認められていないため、他業種で情報 収集を目的とする場合には「支店」形態が採用される傾向にあります。新外国投資法によると、業種ごとの最低資 本金・投資額については、MICが投資事業の業態に鑑み、政府の承認を得て決定するとされています。出資は外 資100%でも可能ですが、禁止・制限分野(上記(1))における合弁時の外資出資比率は80%までとなっています。 (3)税制 法人税率は原則25%(ただし、外国企業の支店は35%が適用)です。なお、外国投資法に基づいて認可を受けた 法人は生産または役務の提供開始から5年間の法人所得税免除が認められます。加えて、MICの認可を得れば、 免税期間の延長、固定資産の加速度償却、研究開発費用の所得控除、欠損金の繰越し、輸入関税の減免などの 優遇措置が与えられますが、優遇措置付与に関する基準はなく、申請内容に応じてMICが個別に決定することに なります。なお日本との間で租税条約は締結されていません。 (4)労務 ミャンマーの労働事情として豊富な若年労働力と識字率の高さが評価されているようです。ジェトロの調査によれ ば、在ミャンマー日系企業が雇用する従業員一人当り平均賃金は、ワーカー(製造業)で1,100ドル/年、スタッフ (非製造業)で3,426ドル/年とされています。なお、外国投資法では、熟練者の雇用について、外国人を含む従業 員に占めるミャンマー従業員の割合を、「当初2年以内に最低25%、次の2年以内に50%、その次の2年以内に 75%」まで高めることが求められています。ちなみに、非熟練労働者はミャンマー人の雇用のみが認められていま す。 (5)インフラ 水力発電による電源依存が高い(75%)ミャンマーでは、乾季には貯水量の減少と猛暑による電力消費の増加で、 電力需要が満たせなくなるという構造的な問題を抱えています(例年4~7月頃)。また、陸上輸送ではヤンゴン― バンコクルートの有効度が高いと考えられますが(通関時間を含め2~3日)、ミャンマー国内側の道路整備が不十 分なことから恒常的なルートとして活用するには時間がかかりそうです。一方、主力港湾のヤンゴン港(全荷役量 の90%)は、河川港で水深が浅く大型船が寄港できないためコンテナ船の直行はありません(シンガポール若しく はマレーシアで積み替え)。なお、深海港は、南部のダウェー、北西部のチャオピーにて計画・整備が進められてい ます。