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FCG 中華圏 ニュースレター(No.211)

2026年03月02日中華圏

北京・蘇州・上海・成都・広州・深圳

 

増値税法の施行開始―中国ビジネス関係者が抑えるべきポイント―

2026年1月1日より、中華人民共和国増値税法及び中華人民共和国増値税法実施条例が施行されました。これにより1993年公布の中華人民共和国増値税暫行条例及び中華人民共和国増値税暫行条例実施細則が廃止され、増値税は条例から法律へ格上げされました。

増値税は中国税収の約4割を占める最大税目であり、中国で事業を行う企業にとって非常に重要な税目です。本ニュースレターでは増値税法及び増値税法実施条例の2つの規定の公布に伴う主な変更点をご案内いたします。

(1)課税対象者

課税対象者の特定として、旧暫定条例では、「加工、修理・補修役務」、「サービス」を行う組織または個人という記載がありましたが、増値税法では、「サービス」を行う組織または個人へ変更しています。

(2)課税対象行為

増値税法では課税対象者と課税対象行為は条文を分けて明記しています。また、増値税法第4条では、課税対象のサービスまたは無形資産の販売とは、サービスまたは無形資産が「中国国内で消費される」と定義しています。

そして、増値税法実施条例第4条では、「サービス、無形資産が中国国内で消費される」状況を定義しています。中国国外の組織・個人から中国国内の組織・個人へのサービス、無形資産の提供であっても、完全に中国国外で消費する場合は課税対象外となります。

(3)みなし課税取引

増値税法では、みなし課税取引について無償の物品・無形資産・不動産の譲渡なども課税対象となることを明記しましたが、従来の関連規定に基づく代理販売や県・市を跨ぐ販売用物品の運送、対外投資、株主への分配、サービスの無償提供は記載していません。

(4)非課税対象取引

従業員への給与及び預金利息等、増値税法では非課税取引を明記しています。

(5)課税対象行為毎の税率

旧暫定条例では、最高税率の課税対象行為に「役務」がありましたが、増値税法では、「加工修理補修サービス」に変更となっています。

税率は13%・9%・6%に加えて、ゼロ税率があり、2026年1月1日以降、変更はありません。

物の販売、物の輸入、加工修理補修サービス、有形動産のリースは13%、交通運輸・郵政・基礎電信・建築・不動産のリースの各サービス、不動産の販売、土地使用権の販売、低税率を適用する物の販売は9%、無形資産の販売、大半のサービスは6%、輸出はゼロ税率となります。

また、増値税法上では、増値税小規模納税者の簡易税額計算方法は3%に統一されます。

6)混合販売について主要業務に応じて適用税率を確定

増値税法では、納税者の1課税取引が複数の税率・徴収率に関連する場合、主な業務に応じた税率・徴収率を適用すると定めています。

(7)源泉徴収義務者

中国国外の組織または個人が中国国内で課税対象行為を行う際、旧暫定条例では中国国内に経営機構がない場合、中国国内の代理人が源泉徴収義務者となることが優先となっていましたが、増値税法では、原則として購入者が源泉徴収義務者と定義し、源泉徴収義務者の判断を簡素化しています。

(8)増値税の還付申請

輸出企業やクロスボーダー取引を行う企業は以前から増値税の免除・控除・還付を享受できていましたが、それ以外の企業の増値税還付申請については2019年から試行されてきました。増値税法では、還付申請を行えることを明記しています。

9)控除対象外仕入税額

増値税法では、「購入してかつ直接消費する」飲食サービス、住民の日常サービス及び娯楽サービスに対応する仕入増値税額を控除してはならないと明記しています。

(10)納税義務の発生時間

増値税法実施条例では、物の販売に際する納税義務の定めがより具体的になっています。

増値税法では、販売代金の受領日または販売代金の請求証憑の取得日、先に発票を発行した場合は発票の発行日に納税義務が発生すると定め、増値税法実施条例では、販売代金の請求証憑の取得日とは、書面上の契約により確定している支払日であり、書面上で契約を締結していない場合または書面上の契約では支払日が確定していない場合は課税取引の完了日、即ち商品の売買では商品の提供の完了日と定めています。

(11)納付期限

増値税法では、増値税の税金計算期間を10日、15日、1ヶ月または1四半期とし、具体的な税金計算期間は管轄税務機関が納税者の納付税額の大小により区分して確定すると定めています。経常的ではなく発生する課税取引の納税者は都度納税します。また、物の輸入時の申告及び納付期限は税関規定の期限に従う形に変更となりました。増値税法実施条例では、小規模納税者及び一般納税者である銀行、金融会社、信託会社、信用協同組合の増値税の税金計算期間は1四半期と定めています。

(12)小規模納税者の課税開始基準

自然人を含む増値税小規模納税者に適用する課税開始の基準となる金額は、その都度申告者は1回または1日あたり売上高1,000元であり、従来の500元の2倍に引き上がりました。

(13)税関から税務当局への情報提供

税関から税務機関への情報提供義務を明記しました。企業が税務調査を受けた際、税務当局への申告内容と税関への申告内容に相違があることを指摘されるケースが見受けられますが、引続き双方の申告内容が一致するよう留意が必要となります。

(14)電子発票

増値税法では、電子発票は紙ベースの発票と同等の法律の効力を持つことを明記しました。現在の中国では発票の積極的な電子化を推進しています。

(15)税務当局と各管轄機関の連携

税務当局とその他の各管轄機関の連携を明記しました。企業は改めて各政府機関が横で繋がっていることを認識の上、ビジネスを行い、税務申告及び納税する必要があります。

 

今回の増値税法は制度の大転換ではなく、税率や計算方法は大きく変わっていませんが、制度を明確化することで、税政の安定化・徴収管理の強化を目的としています。越境取引の厳格化も進んでおり、該当取引のある企業はより一層の注意が必要です。また、みなし課税取引や交際費等の控除管理などは多くの企業に関連しますので、これを機に自社の税務管理体制を見直すことをお勧めします。

 

 


香港

 

2026/27年度財政予算案の発表について

1.2026/27年度財政予算案の発表について

香港政府の陳茂波財政長官は2026年2月25日、立法会で2026/27年度(26年4月~27年3月)の政府財政予算案演説を行いました。前年度の収支が黒字となり「政府財政ははっきりと改善した」と宣言、新年度予算では市民と中小企業への支援を可能な範囲で拡大するとし、基礎控除の引き上げや個人所得税、法人税の免除額増額などを打ち出しています。

個人所得税及び法人税については、上限を3,000香港ドルとして全額が減額されます。同様の措置は前年もありましたが、減額が1,500香港ドルから3,000香港ドルに引き上げられたことになります。

基礎控除については、納税者本人及び配偶者控除が前年までの132,000香港ドルから145,000香港ドルに、子ども控除が130,000香港ドルから140,000香港ドルに引き上げられます。また子ども控除については、新生児に対して誕生年度の控除額が2倍になる特別措置がありましたが、2026/27年度より、誕生年度だけでなくその翌年度も当該の特別控除を受けられることになります。

また、グループ内で香港法人の株式を譲渡する際に申請できる印紙税減免について、減免の要件が緩和されます。当該の減免を受けるためには、譲渡が関連会社間で行われる必要がありますが、この関連会社の要件である最低持分比率が、従来の90%から75%に引き下げられました。

 

2.最低賃金の改定について

香港政府は2026年2月10日、法定最低賃金水準の改定を政府トップの李家超行政長官と行政会議が承認したと発表しました。現行の1時間あたり42.1香港ドルから1香港ドル引き上げて43.1香港ドルとし、上げ幅は2.38%となります。20日に官報で公示し、25日に立法会へ提出、可決されれば2026年5月1日から施行されることになります。

最低賃金の見直しは2025年までは原則2年ごとに行われてきましたが、最低賃金委員会の提言を受けて今年から毎年1回に変更されました。改定額はインフレ率と経済成長率を織り込んだ計算式に基づいて算出されます。

政府は最低賃金の改定のほか、雇用条例の改正案も立法会に提出します。現行条例では月額賃金が17,200香港ドル未満の従業員について、雇用主に総労働時間の記録を義務付けていますが、これを月額17,600香港ドル未満に引き上げ、最低賃金改定と同じ5月1日の施行を予定しています。

 

 


台湾(台北・台中)

 

【経済成長見通しの上方修正】

台湾行政院主計総処は2月13日、2026年の経済成長率予測を従来の3.54%から7.71%に大幅上方修正しました。人工知能(AI)需要の急増を背景に輸出見通しも大幅に引き上げられ、輸出増加率は従来6.32%予測から22.22%に改定されています。2025年通年の成長率も速報値の8.63%から8.68%に上方修正され、15年ぶりの高水準となりました。

 

【新札発行額の記録更新】

台湾中央銀行は春節(旧正月)前の2月13日、新札発行額が4兆2,967億台湾ドルに達し過去最高を更新したと発表しました。前年同期(4兆537億台湾ドル)を上回る大幅増で、半導体業界の年末賞与や国民の旧正月需要が影響しています。中央銀行は「堅調な経済やボーナス需要で紙幣需要が増えた」と分析しており、春節後に大半が預金として戻ると見込んでいます。

 

【企業向け「強制労働防止ガイドライン」】

労働部は2月13日、企業向けに「強制労働防止の参考指引」を発表しました。これは国際サプライチェーンで問題視される強制労働を防ぐため、ILOの11の指標を実務的に適用するガイドラインです。企業が自社および取引先のリスク評価を行い、人権尊重の取組みを促進するための手助けとなります。国際的にサプライチェーン管理の厳格化が求められる中で、台湾企業にもガイドラインの遵守が奨励されます。

 

【服務証明書の発給周知】

労働部は2月24日、旧正月後の転職シーズンを迎え、労働者が退職時に雇用主から発行を受ける「服務証明書」は法定権利であると改めて周知しました。同証明書は勤続年数や賃金などが記載された退職証明で、雇用主が発行を拒否すると罰金(2~30万元)が科されることを強調しています。退職者の再就職や雇用履歴の証明に不可欠なため、労働部はこの周知で雇用者の法令遵守を促しています。

 

 


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